2016年01月04日

喰らう家

 美女のサービスカットも、瞠目すべきCGの冴えも無いながら、アメリカではそこそこのヒットとなったホラー映画。邦題はれいによって原題無視だが、内容とは乖離していないので、これは良心的。
 
 一人息子を亡くした両親が、思い出の残る家を離れて転居してきた田舎町。19世紀半ばの建物ながら、格安の新居はなかなかに広く、しっかりとした屋敷だが……という、ホーンティングハウスもの。
 登場する「住人たち」の背景に、アメリカンホラーらしい周期性なども加えているところはこのシチュエーションとしては、やや目新しいとも言えそうなのだが、意外性を狙ったひねりはほぼ無く、ストーリーにも無理のない手堅さを感じられた。
 また、舞台は雪深いニュー・イングランドの田舎町であり、50代の夫婦と、同世代のその友人夫婦が遭遇する怪異体験という、主要登場人物も思い切り地味ながら、量的には控えめとは言え、スプラッタでゴアな描写でたたみかけてくる展開もあって、まず「普通のホラー」として素直に鑑賞することができる。
 
 それにしても、この作品のなによりの特徴は、やはり主人公たちの年齢の高さだ。
 そこを気にしないですむのは、観る側の私の方も近い年齢である……ということもさりながら、ヒロインを演じたのがかのバーバラ・クランプトンであったことが大きい。

 80年代ホラーの隆盛期の中で、スチュアート・ゴードン監督の数作品でヒロインを演じ、世界中のホラーファン青少年の脳裏に、消えることの無いピンク色の記憶を残してくれた彼女の主演作とあっては、少なくとも私と同世代のファンならばまずは、観なくては、と手に取るはずだ。
 そして、久しぶりに(個人的には「キャッスル・フリーク」以来)ディスプレイに映るクランプトンは、案外に品良く、息子を失った初老の夫人の悲愁を美しく演じている。
 やあ、お久しぶり、との軽い懐旧を覚えることができるのは、年寄りの特権だろう。
 
 尚、本作の監督であるテッド・ゲイガン自身が我々と同世代なのか、と思いきや、さにあらず、実はいまだ30代であったのはこれもまた意外。次の仕事も決まっているようなので、もし、懐かしいホラー作品へのリスペクトがらみの演出などが観られるのだとしたら、注視しておきたいところである。
 
 正直、私のように主演女優に関心がなければ、やや大人しい作品と感じてしまうのも否めないかも。故に個人的には★3つ半。私情を抑えれば★2つ。
posted by Sou at 21:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画:ホラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Souさん、あけましておめでとうございます!

お正月そうそうまたこんなディープなものを、、、(*´ω`)

今年もよろしくお願いします〜
Posted by K@zumi at 2016年01月05日 23:48
明けましておめでとうございます。

……というのも、どうなんだ、というほど返信が遅れまして、すみませんでした。

地味ですし、格好いいオッサンも美少年も出てきませんが、作品としてはまっとうなので、それなりにお薦めです。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by Sou at 2016年01月08日 19:34
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